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日記を書きたい

小型のPCを自作するとたのしい

死ぬまでにやりたいことが全部で3つあって、そのなかで一番取り掛かりやすかった自作PCづくりをやってみることにした。

今回はじめてPCを組むにあたり、佐野さんの記事をとても参考にさせていただいた。いつもお世話になっております。

text.sanographix.net

自作PCといえば「机の下にある、七色に光るめちゃくちゃデカい箱」みたいなイメージがあったが、世の中に小型PCケースというものがあることを知ってからは、いつか組んでみたいな~と常々思っていた。

とはいえ、自分は MacBookBTO したくらいの経験と知識しかなく、メモリや SSD の知識はあれど、マザーボードや電源、CPUクーラーといったパーツには全く馴染みがなかった。名前は知っていても、具体的になんのためのパーツでどういうメーカーがあり、それぞれどこに性能差があるのか~など全くわからない。

自分なりにいろいろ調査はしたものの、初心者がネットの文献だけに頼り切るのも不安だったので、諦めて有識者に聞くことにした。PCパーツといえば秋葉原だろうということで、秋葉原ツクモexの店員さんをつかまえて1時間くらい説明してもらいながら構成を決めた。店員さん本当にありがとうございました。

構成

いろいろ買ってこんな感じになった。

種類 パーツ名
CPU AMD Ryzen 5 5600X
GPU MSI GeForce RTX 3070 Ti VENTUS 3X 8G OC
マザーボード GIGABYTE B550I AORUS PRO AX rev.1.1
SSD CFD CSSD-M2M1TPG4VNZ
メモリ ADATA AX4U3200716G16A-DCBK20
ケース CoolerMaster MasterBox NR200P MAX
CPUクーラー ケース付属
電源 ケース付属
ケースファン NF-A12x15 PWM chromax.black.swap
OS Windows 11 Home 日本語版

この他にもメモリの補償をつけたり、組み立て用のロングドライバーや、静電気防止手袋、マウスなどの周辺機器も購入している。

それらをすべてを Amazon PrimeDay の前に買ってしまったので、価格面だけみると想定よりもデカい買い物になってしまった…

NR200P MAX

もともと「NR200 シリーズ」のケースで作ることは決めていて、どのバリエーションにするか悩んだ結果、2022年5月末に発売された「NR200P MAX」を選んだ。

ボコボコになった MAX デカい箱で届く

NR200P MAX は「PCケースに電源とCPUクーラーが組み込まれていて、配線された状態」で販売されているキット的な商品。

グラボが縦置き固定になってしまうのがやや不安だったが、初心者なので出来合いのキットのほうが良かろうと思ったし、色もグレーなのでインテリアとして見ても無難な色味だろうという見立てで買った。

加えて、付属のライザーケーブルが PCIe gen4 に対応しているのがポイントで、他のバリエーションを選ぶと、1世代前の gen3 のケーブルになるか、そもそも付属しないという選択肢になる。

PCIe gen3 のケーブルを使う場合は「最小構成で組んでから、UEFI に入って、設定を変更し、また組み直す」作業が発生する可能性があり、初心者には難しそうだったので避けたかった。

写真

ケースがグレーで落ち着いているのが好み

NR200P シリーズは、左側をガラスパネルに付け替えることで中身が見えるようになるが、排熱性能の低下や、グラボが縦置き固定なので、ほとんどグラボしか見えなくなるなどの問題があり、加えて自宅のレイアウト的に左側が死角化していることもあって、普段はスチールパネルにしている。

配線

先に述べたように、NR200P MAX は配線済みのキットだったので、取り回しには特に困らなかった。

覚えている範囲で大変だったのは、フロント I/O 用のオーディオケーブルの長さがギリギリすぎたことと、マザーボードに付属しているファン用の延長ケーブルが、ライザーケーブルに阻まれて余裕がなかったことくらい。

延長ケーブルに余裕がないので、分岐ケーブルを足している

エアフローとファン

当初はケースファンをつけずにつかっていたが、夏場の常温で試しにゲームしてみると、ケース内のCPU温度が70度を超えてしまい不安になった。

買ったPCケースには、CPUファンが備え付けだったので、自分でファンというものをケースに取り付ける作業を体験していなかったこともあり、どうせなら環境改善がてら取り付けもやってみようということで追加した。

追加した底面ファンも黒に揃えた

底面から吸気して、上面に排気している。 厳密には、両側面にあるグラボと電源のファンからも吸気してそうだったが、グラボは GPU の温度が上がらないとファンが回らないので、基本的には下から上に流れるようなフローになっている。

取り付けの結果、庫内の温度が2~3度下がってよかった。なんのためにファン備え付けのケース買ったのかという疑問はあるが…

CPU

CPU を買うとき、店員さんに「今買うなら Intel のほうが人気だけど大丈夫?」と確認されたのを覚えている。

曰く、CPU の販売周期はざっくり2年程度らしく、Ryzen はすでに販売から1年半くらい経っている一方、Intel は最近新しいモデルが出たので人気らしかった。とはいえ事前に調べていたのは Ryzen だけだったし、Ryzen 搭載のパソコンをまだ使ったことがなく、試してみたかったこともあって、そのまま Ryzen でいくことにした。

これから購入されるかたは発売時期も気にしておくとよさそう。

GPU

グラボは、静音性の面から MSI にすることは決めていて「3070 Gaming」か「3070 ti VENTUS」にするかで悩んだ。

Gaming シリーズのほうが上位モデルであり、静音性や排熱、消費電力などの面で優れているが、下位モデルの VENTUS シリーズのほうが、GPU スペックとしては上位であり、店頭価格も安くて魅力があった。

最終的に「静音性については使ってみないとわからない(= VENTUS のファンが自分にとって耐えられない音量かどうか、購入時点では判断つかない)」のを理由に、思い切って上位スペックGPUの下位グレードモデルを選んだ。

現状つかってみて、グラボのファン音はほとんど気にならないし、スペック的にも満足しているので、いい買い物だったと思っている。

完成した感想

はじめてPCを組むにあたり、何も分からなかったので、とにかく予習が大変だった。2週間くらい GoogleYouTube に張り付いて勉強しまくった。

一番懸念だったのがマザーボードへの配線作業で、YouTubeで「NR200 build」で検索してとにかく動画を見た。
動画だとかなり具体的な手順まで正確にトレースできてほんとうにありがたい。
MAX 版の紹介をしているのはほとんどが海外の投稿者だったが、自動翻訳をつければだいたい何言ってるかわかって良かった。

ほかにも、CPU や GPU など各パーツのそもそもの機能や、メーカーごとの違い、製品の型番のアルファベットが何を指すかを調べたり、PCIE とか NVMe といった用語を調べたり、とにかく勉強した。
こんなに0ベースから勉強したのは学生以来で大変だったけど、すごく楽しかった…

ちなみに、完成後もわりとわちゃわちゃした。というかしている。予習しまくってどうにかなった制作段階とは違い、完成後は問題に対する「ググり力」が求められるなと思った。

OS のインストールタイミングがわからず、画面にずっと映る企業ロゴを眺めて完成初日を過ごしたり、ドライバを入れ忘れて Wifi がつながらないまま有線ですごしたり、マザボの不良で Bluetooth がつかなくなったりして、だいたい3日に1回はなにかしらの症状をググり、出てきた Reddit のスレを和訳して解決を試みている。

色々たいへんな瞬間はあるものの、こういう体験も含めて自作PCをつくる醍醐味だよなと感じた。
初めてパソコンを買ってもらったときによくあった「誰かのブログ記事に救われて事なきを得る経験」を思い出して、勝手にエモい気持ちになっている。

自作PC には、自分で選んで自分でつくったものの面倒を見る楽しさ、PDCA をまわして改善していける気持ちよさがあって、これから先も中身をアップデートしていけるので、長く付き合える良い趣味になった気がしている。

深夜まで作業してようやく初起動できたので、はしゃいで記念撮影した