midunolog

日記を書きたい

映画「恋は光」見た(ネタバレあり)

映画「恋は光」を見た。

見終わって2時間くらいでこれを書いていて、もう2時なので寝ないとまずいのだが、どうしても書いておきたいので推敲なしで書く。ちなみに、筆者は原作を完読しているそれなりのファンなので、原作比較の感想があります。ご了承ください。

作品情報

Webサイト

happinet-phantom.com

第一話試し読み

Kindle

www.amazon.co.jp










(ネタバレを含むので広めに改行しておきます)








感想

丁寧で大胆な改変に加え、キャスト陣の素晴らしい演技とキャラ寄せが全体的に好印象で、原作を尊重していることが伝わってきてすごく良かった。見終わった後の感想は小ざっぱりしてたな〜、けど丁寧で素敵な映画だったな〜という感じ。

いま思い出せる限りをシーンベースで羅列する。

  • 予告で絵が光っている意味が全く理解できなくて、「オッ、、コレは光をスピリチュアル的な扱いに改変されてしまうのでは…」と危惧してたけど、本編見たらそういうことか!となってよかった。
  • 開幕よかった。単純にキャッチーで目を惹かれた。宿木さんがどういう立ち位置なのかが一瞬でわかるし、最初に報復されてるぶん、その後の行動をプラマイゼロにするための描写でもあるのかなと思った。
  • 西条さんどもり過ぎでは…と思ったけど、慣れた。あと、服が小綺麗なのが一瞬気になったけど、服なら北代さんが一緒に見立ててそうだと解釈した。
  • 自宅の万年床具合とか、カーテンなしの日光で生活ルーティン組んでそうな感じとか、室内電灯のそれっぽさとか、夕食がチキンラーメンとか、iPhoneがまだSEとか…、、西条さんをとりまく小道具のすべてが西条さんを描写しててよかった。
  • 北代さんは全体的に北代口調が控えめな感じがした。その分西条さんはガッツリそのままのトーンだったので、二人あわせてバランス取れてた気がする。釣り×2でわりとキャラ表現できてたし、あの中では一般人枠なので、結果的に口調にちょっと癖があるくらいに落ち着いてて良かったと思う。
  • 東雲さんは、最初はただのオシャレかわいい女子大生では…?というファションだったけど、恋を自覚してから原作ぽい服装になってよかった。
  • 央さんのキャストめちゃくちゃ良くないですか。どこから見つけてきたんだ…。。原作の印象と違って(SNSで長いことやりとりして相互理解するパートが無いので仕方ないが)大学生相手でも堂々としてたのは気になったけど、むしろハキハキ話してくれてよかったのかもしれない。余計な印象を与えずに、彼女の仕事をきっちりこなして帰っていったな…という感じ。
  • 央さんのことを「(画家の)先生」と呼んでいたので、カフェのイートインで北代さんがいきなり名前呼びした瞬間は驚いた。でも口調が既に砕けてたので、一定話し込んだあとなんだな。と解釈した。
  • というかWebページは見てたけど、そもそもメインキャスト以外気にしてなかったし、2時間尺で央さんまで出るかわからんかったので、出てきた時は正直驚いた。
  • 東雲さんがちゃんと吐いたの良かった。逆光で表現されてたけど、ちゃんと一連のモーションが映ってたし、初見視聴者からしたら、ラストの説得材料のひとつになりそう。
  • 個人的には海水浴場の帰りの北代さんが好きなのでそのシーン見てみたかったなぁと思った。
    • 追記:原作見なおしたら帰りじゃなくて行きの電車だった。劇中の、路面電車で2人が隣に座って話しているシーンがまさにそれで、載っているものも向かう先も違うけど、同じ構図なことに気づいた。もう一度見たい……
  • オチの話をします。ドラスティックな原作改変はある程度予想はしてたけど、北代さん好きなので、素直に嬉しかったです。
  • 実際尺の都合だとは思うけど、北代エンドにする以上はそれなりに過程を描きつつも感づかれすぎない必要があると思っていて、東雲さんを振るノートを書いてる時点ではどうなるのか予想できてなかった。
  • 2時間で東雲さんに感情移入する暇あるのかなと思ってたけど、嫉妬を自覚するまでの前半や、倉敷での告白シーンなど、要所ですごく魅力的に描かれていたと思う。
  • 文化祭を美術館展示に改変したこと、その理由として央さんが効いてくることが、ラストに向けた改変としてすごく上手いと思った。原作を知っていても自然に受け入れられたし、新しいアプローチに移行した瞬間からどうなるのか予想つかなくて、映画への没入感が増した。
  • ラストの美術館の2人のやりとりで、北代目線のカメラ位置に切り替わったのが、個人的にすごく良かった……。答えがはっきりと口にされない場面だったのもあって「センセを横目に見て、聞いている(どこかで答えを待っている)北代さん」を、一瞬でめちゃくちゃ意識してしまった。劇中だとあのシーンが一番好きかもしれない。
  • ラストでまた美術館に戻ってくる理由もちゃんと仕込みがされてて違和感なかった。美術館だとチケットを持っている2人以外には介入されないし、セリフの反響がラストシーンとして印象深かった。
  • 全体的に北代さんの表情を常に意識して追っていた。北代さんは顔で語るキャラという理解だったのだけど、映画では割と表情を隠さないというか、感情が所作にも現れていて、結構わかりやすかったと思う。機微がオミットされたといえばそうなので悩ましいけど、映画の表現としては良かったと思う。
  • 北代さんが光そのもので、恋は光なんだという感じでエンドになったわけだけど、これはこれで一つの回答としてすんなり納得できた。最後にはさむタイトル回収としてもいいまとめ具合だったんじゃないだろうか。バスっと終わってくれて小気味よかった。
  • と、いいつつ宿木さんが最後にチラっと写って後腐れない感じになったのも良かったと思う。目の前の友人のアクセサリー自慢を見てなぜ改心したのかは謎だったけども。

総じて、好きな映画だった。実際いきなり仲良くなりすぎじゃね?とか、物理的に無理じゃない?とかもちろんあったけど、そのあたりの辻褄についても、自分が予想してたほどにはひずみが無かった。

とても良い映画化だったと思う。原作ファンで見てないひとは、今すぐ休暇をとってなんとか今週中に見に行くか、なんらかのプラットフォームで配信されたときに、静かな部屋でゆっくり見てほしいと思う。夏だとなお良い。

思い立って観に行けて本当によかった。 映画、原作に携わったすべての皆様ありがとうございました。

余談1

夕方にたまたま見た購読リストに出てきた id:Pasta-K さんのエントリから、いつのまにか映画が上映されていることを知ったのがきっかけで見た。たまたま休暇をとっていて、たまたま往復圏内の劇場がレイトショーで1本だけ上映していて、しかも明後日には上映終了で、ギリギリ終電で帰ってこれる距離だったので、思い切って見に行った。 感想を書いてくださったおかげで気づけました。本当にありがとうございます。

blog.pastak.net

余談2

北代さんが東雲さんの自宅に行く途中の、バスから降りたシーンで、東雲さんヒール履いてるんだ〜と思って見てたら、3歩目くらいで右足を若干ぐにっと踏み外してたのを、妙に覚えている。