midunolog

@midunoiroの備忘録です。

「優雅な歌声が最高の復讐である」

「優雅な歌声が最高の復讐である」を読んだ。

優雅な歌声が最高の復讐である (電撃文庫)

優雅な歌声が最高の復讐である (電撃文庫)


タイトルがキレてますよね。電撃文庫とは思わなかったな…
こちらの記事を見て、気になって買いました。

yocchi.hatenablog.com


素晴らしいタイトルからは想像できないのですが、内容自体はひと夏にかけてのボーイ・ミーツ・ガールでした。
約370pほどのライトノベルと言うには厚いほうなボリューム感で、しっかり読もうとすると結構時間がかかるかもしれません。
本作は、「歌」と「サッカー」に関する話題が多く、とりわけその「技法」にスポットのあたる場面が目立ちます。著者の趣味なのか、かなり凝ったところまで解説をしており、それらは作中のキャラクターやシーンの描写などでたびたび語られます。そのせいか、知らないカタカナの用語が1p中に幾種類も登場し、目が飛ぶことが何度かあったのが印象に残っています。

展開はもうまさしくボーイ・ミーツ・ガールとしか言いようのないものでした。わかりますか、わからなければ読みましょう。
本作ではイベントごとに章をわけて展開していることから、どうしてもイベント自体の過程を深く描写するような場面は少ないのですが、それが逆に小気味よいリズムを生んでいるとも言え、一冊で「ひと夏の体験」をうまく纏めていたように思えます。
作中キャラクターの過去の描写を挟むタイミングも、現在の読者が読んでいるタイミングを意識して(意図的にタイムラインを調整して)おり、それでいて綺麗に理解できるようにハマっていたのがお上手だなと思いました。

イラストレーションは、良く言えば繊細で、もう少し思ったままに言えば相当淡白なタイプの表現でした。
故に、表紙の印象から想像していたような小説の内容とは異っていましたが、最後まで読んでみると、あぁなるほどこれもまたある側面を丁寧に表現しているように見えるなと言うのが感想です。
あと、挿絵枚数が少ないのも特徴と言えるかもしれません。

要所要所で引っかかる点はあったものの、幕の下ろし方やお手本的な展開の魅せ方、合間に見えるキャラ設定に起因する言動の自然さなど、細かい点が整っていて後半からは、ぐっと集中して読んでしまいました。いうて結構ボリュームありますからね、3.5時間くらいかかった気がします。

気になってまた読み返すタイプの作品だなぁと思い、本棚にそっと追加しておいてから感想メモを書いています。二回目を通してみるのが少し楽しみだなぁ。